こんにちは。高知県高知市で『営業』に強いホームページ制作を行っている、株式会社ICUの川島です。
今日は「フォーム営業」の話です。ホームページのお問い合わせフォームから届く、まったく身に覚えのない営業メール。御社にも届いていませんか。「SEO対策しませんか」「営業リスト販売します」「テレアポ代行やります」。こうしたメールが、毎日のように届く会社も珍しくありません。
こんなご相談がありました。
「お問い合わせフォームに営業メールばかり来て、本当のお客様からの連絡を見落としそうで怖いんです。」
これ、お気持ちよくわかります。お問い合わせフォームは、お客様が勇気を出して連絡してくださる大切な窓口です。そこに無関係な営業メールが紛れ込むと、業務の手間が増えるだけでなく、本来の問い合わせを埋もれさせてしまう危険もあります。
結論としては、フォーム営業は受け取る側にとって迷惑なだけでなく、送る側にとっても信頼を失うリスクの高い手法です。そして最近は「フォーム営業の代行やりませんか?」という営業まで増えています。安易に乗ると、知らないうちに御社もスパムの送り手になってしまうかもしれません。

フォーム営業がここまで増えた背景
フォーム営業が増えた理由は、主に2つあります。
1つ目は、コストの安さです。メールアドレスを集めなくても、ホームページのフォームに入力して送信するだけ。1件あたり10円〜60円程度で代行してくれるサービスも数十社以上あり、参入のハードルが非常に低くなっています。
2つ目は、AIと自動化ツールの普及です。最近では、AIがターゲット企業を自動で選び、フォームを見つけて入力・送信まで全自動で行うツールが登場しています。人の手をほとんど使わずに、1日100件以上のフォーム送信ができてしまう時代です。
つまり、「安くて手軽だから」という理由で一気に広がったわけですが、受け取る側の気持ちはまったく考えられていません。ある経営者は東洋経済の取材で「これは営業じゃない。業務妨害だ」と語っています。フォーム営業に対する世間の目は、かなり厳しいのが実態です。
「試しにやってみよう」が招くリスク
最近よく見かけるのが、「フォーム営業の代行、やりませんか?」という営業です。しかもその営業自体がフォーム経由で届くという、なんとも皮肉な構図になっています。
「お試しで」「低コストで新規開拓」と言われると、つい検討したくなる気持ちもわかります。でも、冷静に考えてみてください。
代行業者が送るメールには、御社の名前が入ります。受け取った企業は代行業者の存在を知りませんから、「迷惑な営業メールを送ってくる会社」として御社を記憶します。取引先や将来のお客様からの信頼を失うリスクがあるわけです。

法的にも安心とは言えません。フォーム営業が特定電子メール法に抵触するかどうかは、専門家の間でも意見が分かれるグレーゾーンです。「合法だから大丈夫」と代行業者は言いますが、民法上の業務妨害に問われる可能性は別に存在します。
そもそも反応率を見れば、割に合わないことがわかります。フォーム営業の反応率は実態として0.5%前後。200件送って1件返事があるかどうかです。残りの199件の企業には「迷惑な会社」という印象だけが残ります。
信頼される会社になるために
ウェブを活用して営業を強化したい。その気持ちは正しいと思います。ただ、その方法がフォーム営業である必要はありません。
まず確認していただきたいのは、自社がすでにフォーム営業の代行サービスを利用していないかという点です。「営業効率化ツール」や「新規開拓支援」という名目で契約したサービスが、実はフォーム営業の代行だったというケースもあります。心当たりがあれば、契約内容を確認してみてください。
そのうえで大切なのは、お客様に「この会社に頼みたい」と選んでもらえる仕組みづくりです。ホームページで自社の強みや実績をしっかり伝える。お客様の悩みに応える情報を発信する。お問い合わせいただいた方に丁寧に対応する。こうした正攻法の積み重ねが、結果として営業力になります。
フォーム営業は、手軽に見えて実は信頼を切り崩す行為です。200件に1件のアポを取る代わりに、199件の企業から「あの会社は迷惑だ」と思われる。それは営業ではなく、ブランドの消耗です。

お客様に選ばれる道を
お問い合わせフォームは、お客様との出会いの入り口です。そこを営業メールで荒らされるのは、受け取る側として本当に困ります。そして同時に、自社がその「荒らす側」にならないことも大切です。
ウェブで営業を強くする方法は、ちゃんとあります。お客様が知りたいことを丁寧に届けて、「この会社なら相談してみよう」と思ってもらうこと。地道ですが、これが一番確実です。
焦らず、正攻法で。お客様に選ばれる会社は、そうやってつくられていきます。