「初回が赤字でも、慌てない」顧客との“長いお付き合い”がもたらす本当の価値とは?

こんにちは。
高知県高知市を中心に企業の経営支援をしている、株式会社ICUの川島です。

日々、法人営業に携わっている営業の方とお話しするなかで、こんなお悩みをよく耳にします。

「DMをたくさん発送したのに1件しか受注できなかった」
「キャンペーン価格を安くしすぎて、利益がまったく出なかった」
「広告に何十万円もかけたけど、全然割に合わなかった」

――これらは、決して珍しいことではありません。むしろ、多くの企業が一度は経験している“営業活動あるある”と言ってもいいかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。
それ、本当に“失敗”でしょうか?

「最初の1回」だけで判断するのは、もったいない

たとえば、ある食品卸売会社の事例を考えてみましょう。

この会社では、ある日とある飲食店から新規の注文が入りました。
初回はキャンペーン価格での提供だったため、利益はほとんど出ません。むしろ、人件費や試供品、配送料まで含めて考えると、完全に赤字です。

この時点で「割に合わなかった」と見切っていたら、それで終わっていたでしょう。

ところが、その飲食店は営業の対応品質を気に入ってくれて、毎月10万円分の調味料を継続発注してくれるようになりました。取引開始から2年間で、納品総額は240万円。さらに、系列の他店舗にも紹介され、気づけば合計で1,000万円近い売上に。

初回の赤字が、やがて信頼関係を育て、大きな売上・利益へとつながっていったのです。

顧客との関係を“長い目”で見る視点を持とう

「今月いくら売れたか」だけを見ていると、赤字の初回取引に対して焦りや失望を感じてしまうかもしれません。

でも、もしそのお客さまと長くお付き合いできる未来があるなら、話はまったく違ってきます。

毎月10万円の納品 で 24カ月 続けた場合は 240万円 !!

これは1社がもたらす売上の“全体像”のほんの一例です。
場合によっては、紹介・拡大・新たなニーズの発見などを経て、さらに価値が広がっていくこともあるでしょう。

だからこそ、「1件しか反応がなかった」と数の少なさに目を向けるのではなく、
「この1件から、どれだけの関係性を築けそうか?」と想像してみることが、営業の質を変えていきます

短期ではなく、“続く”ことを前提に仕組みを整える

特にBtoBビジネスにおいては、一度つながったお客さまとは、長く関係が続くケースが少なくありません。だからこそ、最初から“続く前提”で仕組みを整えることが大切です。

たとえば、

  • 初回は「お試し」として導入しやすい価格や内容にしておく
  • 納品後のフォローを欠かさず、困りごとを拾える体制にしておく
  • 季節変動やお客様の成長に合わせた提案を常に考える

最初は、ほんの小さな発注かもしれません。
でも、2回目、3回目と続くうちに、「うちは○○さんに頼めば安心」と思っていただけるようになっていく。

この“信頼の積み上げ”こそが、営業活動における本当の資産だと思うのです。

大切なのは、このお客さまとどんな関係性を築いていくか

今回紹介した食品卸売会社のように、初回の取引が赤字であっても、その後の関係構築によって大きな売上に結びついていくケースは少なくありません。

大切なのは、どうやって“選ばれ続ける会社”になっていくか

  • 最初の対応が丁寧で、印象が良かった
  • 商品やサービスの品質が良かった
  • 困ったときに気軽に相談できる“人”がついていた

――そうした積み重ねが、「この会社となら、長く付き合いたい」と感じてもらえるきっかけになります。

短期の数字だけで判断せず、「このお客さまと5年後も続いている未来」を想像しながら、営業や販促の設計をしてみましょう。

“この1件”のお客さまは、未来の主要取引先になるかもしれない。
そんなふうに考える営業、今日からはじめてみませんか?