こんにちは。高知県高知市で情報処理支援機関として企業さまに伴走支援を提供している、株式会社ICUの川島です。
前回の記事で、パスキーの仕組みと始め方をお伝えしました。「まずは一つ、設定してみよう」と試された方もいるかもしれません。
設定してみた方から、こんなご相談がありました。
「会社のパソコンでパスキーを設定したんですが、スマホからログインしようとしたら使えません。どこに保存されているんですか?」

パスキーは、設定に使ったブラウザやOS(基本ソフト)ごとに保存場所が異なります。「自分がどこに保存したか」が分かれば、使えない原因はすぐ特定できます。
保存場所は「どのブラウザで設定したか」で決まる
パスキーの秘密鍵は、設定時に使ったブラウザの仕組みを通じて保管されます。
Chromeで設定した場合、保存先はGoogleパスワードマネージャーです。Googleアカウントと紐づいているので、同じアカウントでログインした別の端末のChromeからもそのまま使えます。Edgeなら、Windows Hello(ほとんどのWindowsパソコンに入っている、PINや顔認証でログインする機能)を通じてPC本体に入ります。この場合、別の端末には自動では同期されません。iPhoneのSafariで設定した場合はiCloudキーチェーンに保存され、同じApple IDのiPadやMacと自動で共有されます。
同じ会社の仕組み同士なら鍵は共有されますが、ChromeとSafariのように提供元が違うと、そのままでは見えません。

「設定したのに使えない」が起きる二つのパターン
一つ目は、保存したブラウザと使おうとしているブラウザが違うケースです。会社のPCではChromeを使っていて、スマホではSafariを使っている。Googleに保存された鍵をAppleのSafariは見に行けないので、「パスキーが見つかりません」と表示されます。
二つ目は、そもそもどのブラウザで設定したか覚えていないケースです。「パスキーを設定しますか?」と出たとき、深く考えずに「はい」を押した。そのとき使っていたのがChromeなのかEdgeなのか意識していなかった。こうなると、使えなくなったときに原因を辿れません。
PCとスマホの両方で使えるようにするには
対処法は二つあります。
一つは、PCとスマホで同じブラウザを揃えることです。両方ともChromeにして同じGoogleアカウントでログインしておけば、パスキーは自動で共有されます。
もう一つは、それぞれの端末で別々にパスキーを登録する方法です。パスキーは一つのサービスに対して鍵を何個でも追加できます。PCではChromeで、スマホではSafariで、それぞれ登録する。家の鍵を二本作るのと同じで、多くのサービスがこの使い方を想定しています。
まず確認してほしいのは、自分がどのブラウザでパスキーを設定したかです。Chromeなら、アドレスバーに「passwords.google.com」と入力すれば保存済みのパスキー一覧が見られます。iPhoneのSafariなら「設定」→「パスワード」で一覧を確認できます。Edgeの場合は、Windowsの「設定」→「アカウント」→「パスキー」から確認してください。

保存場所さえ分かれば、もう迷わない
私もお客さまから「パスキーが使えなくなった」と相談を受けるとき、最初に聞くのは「どのブラウザで設定しましたか?」です。それだけで原因の大半は特定できます。
前回の記事で設定したパスキーがどこに入っているか、それだけ確認してみましょう。
一度分かれば、次のサービスでも迷わず進められますよ。