ホームページを見てもらっているのに、なぜ問い合わせにつながらないのか

こんにちは。高知県高知市で「営業」と「採用」に圧倒的に強いホームページ制作を行っている、株式会社ICUの川島です。

前回の記事では、“「ホームページから問い合わせが来ない」と感じたら、まず確認したい3つの段階”として整理しました。第1段階が「見つけてもらう」、第2段階が「読んでもらう」、第3段階が「行動してもらう」。この3段階のどこが詰まっているかを確認することが大事だ、というお話でした。

今回は、「ページにはアクセスがあるのに問い合わせにつながらない」ケース、つまり第2・第3段階をどう改善するか、具体的な考え方をお伝えします。

こんなご相談がありました。

「アクセスはそれなりにあるんです。でも、問い合わせにつながりません。ページの何が悪いんでしょうか?」

私の経験では、このケースの多くは「ページそのもの」ではなく「ページの前提」に原因があります。何を伝えるかの前に、「どんな人が見に来ているか」を理解しておかないと、打ち手がズレてしまうのです。

訪問者は、興味を持って見に来ているとは限らない

iPhoneの公式サイトや、高級自動車の紹介サイトをイメージしてみてください。あのサイトを開く人は、最初から「見たい」「知りたい」「欲しい」という強い気持ちを持っていますだから、スクロールしながら動画が再生される演出も、長いページも、ちゃんと見てもらえます。商品への関心が高いので、情報が少々見づらくても、ユーザーの方から探してくれます。

一方で、多くの中小企業のホームページはそうではありません。訪問者の大半は、検索結果からなんとなくクリックした人です。御社のサービスに興味があるかどうか、まだわかっていません。「ちょっと見てみるか」くらいの温度感です。

この温度差がわかっていれば、ページの作り方は自然と変わってきます。

私はお客さまにいつもこうお伝えしています。「ホームページは、興味のない人に興味を持ってもらうところです。すでに興味のある人に詳しく説明するものではありません。

かっこいいページ vs 中小企業のシンプルなページの比較図解。「ユーザーの意欲が高い」vs「ユーザーの意欲はまだ低い」

なぜiPhoneのサイトを真似してはいけないのか

最近、スクロールに連動してアニメーションが動くタイプのホームページが増えています。動きがあってかっこいいですし、大手企業のサイトでもよく使われています。

実際、「うちもこういう感じにしたい」というご要望をいただくことがあります。以前あるお客さまから、高級自動車メーカーのサイトを見せていただいて、「こんな風にかっこよくしたい」と言われたことがありました。お気持ちはよくわかります。でも、中小企業のホームページには向かない場合がほとんどです。

理由は、見に来る人の「意欲レベルが違うからです。iPhoneや高級車のサイトに来る人は、すでにその商品に強い関心があります。演出を楽しむ余裕がある。一方で、中小企業のサイトに来る人は、まだ「この会社、なんだろう?」という段階です。演出を楽しむ前に、自分に関係があるかどうかを判断したい。

訪問者の心理マップ図解。「意欲が高い人」(iPhone等→演出OK)と「意欲が低い人」(中小企業→明確さが最優先)の比較

スクロール連動のアニメーションは、情報が表示されるまでに時間がかかります。一つのメッセージを見るためにスクロールして、待って、また表示されて。関心が高い人なら付き合ってくれますが、そうでなければ「情報が出てこないな」と感じて離脱します。

かっこよさよりも、「最初の3秒で、自分に関係のある会社だとわかるか」。中小企業のページ設計では、ここが勝負です。

最初に目に入る画面(ファーストビュー)をどう作るか

ではページの最初の画面で、何をどう伝えればいいのか。押さえておきたい要素は3つです。

1つ目は「誰のためのサービスか」。たとえば、「安田製作所」とだけ書いてあるホームページと、「小ロット・短納期の精密板金加工」と書いてあるホームページ。訪問者がどちらを読み進めるかは明らかです。社名だけでは何をしている会社かわからないし、キャッチコピーだけでは誰に向けたサービスかわかりません。「誰に」と「何を」の両方が入っていること。これが最低条件です。

2つ目は「行動の入口」。問い合わせボタンや電話番号は、最初の画面にも入れておいてください。前回の記事でもお伝えしましたが、ページの下まで見てくれる人は全体の半数もいません。最初の画面に入口がなければ、行動しようと思った人を取りこぼしてしまいます。

3つ目は「余計なものを減らす」。メニューが10個以上並んでいたり、スライドショーが何枚も回っていたり、情報が詰め込まれたファーストビューは、かえって何も伝わりません。伝えるメッセージを1つに絞る。それ以外は、スクロールした先に置く。

ファーストビューの構成要素を示す図解。

情報を「会社の都合」ではなく「訪問者の疑問の順番」で並べる

ファーストビューの次に大事なのが、ページ全体の情報の並べ方です。

よくある構成は、「会社概要→事業内容→実績→お問い合わせ」という順番。これは会社側の都合で並べたものです。悪くはないのですが、訪問者の頭の中の流れとは合っていません。

訪問者が知りたいのは、こういう順番です。「この会社は自分の困りごとを解決してくれるのか?」が最初。次に「実際にどんなことをやっているのか?」。その次に「信頼できるのか?」。そして最後に「連絡するにはどうすればいいか?」。

私は、ページの構成を考えるときにいつもお勧めしているのが、「読者の頭の中の疑問に、順番に答えていくという考え方です。会社が伝えたい順番ではなく、訪問者が知りたい順番で並べる。これだけで、同じ内容のページでも読み進めてもらえる確率がずいぶん変わります。

自社のホームページのトップページを開いて、上から順番にセクションを見てみてください。その並び順は、お客さまが知りたい順番になっていますか? 「会社概要」が一番上に来ていたら、もしかするとそこに改善の余地があるかもしれません。

ページ構成の比較図解。「会社都合の順番」vs「訪問者の頭の中の順番」

採用ページも、同じ原則で組み替えてみる

この「訪問者の疑問に答えていく順番」は、採用ページにもそのまま使えます。

多くの採用ページは、最初に給与・休日・福利厚生などの条件面を並べて、「社員の声」や「1日の流れ」は下の方に置いています。会社としては条件をきちんと開示するのが先だと考えるのは自然です。

でも、求職者の頭の中はこうなっています。「この会社で働くと、どんな毎日になるのか?」が最初の疑問です。その次に「どんな人たちと一緒に働くのか?」。条件面の確認は、それらに納得した後のステップです。

組み替えるなら、「職場の雰囲気」→「先輩社員の声」→「1日のスケジュール」→「募集要項・条件」→「応募方法」。この順番の方が、求職者の気持ちの流れに沿っています。

採用ページの並べ替え図解。Before(条件→雰囲気)vs After(雰囲気→条件)を視覚化

私は、採用ページの目的は「応募のハードルを下げること」だと考えています。条件を正確に出すことも大事ですが、それだけでは「この会社で働きたい」とまでは思ってもらえません。「働くイメージが湧くかどうか」。ここが、応募につながるかどうかの分かれ目です。

スマートフォンで自社のページを3つの視点で確認する

ここまで読んでいただいて、「うちのページはどうだろう」と思ったら、ご自身のスマートフォンで自社のホームページを開いてみてください。

確認してほしいのは3つです。最初の画面で「誰のための、どんなサービスか」がわかるか。情報の並び順は、訪問者の知りたい順番になっているか。そして、iPhoneのサイトのように「すでに興味がある人向け」の作りになっていないか。

私のお客さまでも、ファーストビューの文言を変えただけで問い合わせが増えた会社があります。
全部を直す必要はありません。まず一つ、気になったところから手を付けてみると良いですよ。