こんにちは。高知県高知市で「営業」に強いホームページ制作を行っている、株式会社ICUの川島です。
営業の相談に乗っていると、こんな声をよく聞きます。
「本当は○○を提案したいんですけど、いきなりだと断られるんです」
これは商品の問題ではなく、順番の問題であることがほとんどです。私がお客様の事業を見ていて感じるのは、うまくいっている会社ほど最初の一回で全部を売ろうとしていないということ。小さな接点で信頼を得て、そこから本命につなげています。

いきなり本命から入ると、なぜ断られるのか
初めて取引する相手に大きな仕事を頼むのは、お客様にとってリスクです。技術も品質も、実際に見てみないとわかりません。金額が大きくなるほど、この「わからなさ」が判断の壁になります。
工務店であれば、初対面のお客様にリフォームを提案しても、相手は比較する材料がないまま判断を迫られます。飲食店で、初めての店にいきなり50人の宴会を予約する人はほとんどいません。
ところが、雨樋の修理を頼んで対応が丁寧だった工務店には「リフォームも相談してみようか」となります。ランチで「この店いいな」と思った人は、夜にも足を運んでくれる。小さな仕事を通じて信頼が生まれると、本命は自然に視野へ入ってきます。
「入口を安くすればいい」という誤解
段階的な営業と聞くと、「入口商品は安くして、本命で利益を取る」という方向に考えがちです。ただ、私はそこが本質ではないと考えています。
入口商品の役割は、値段で引きつけることではなく、自社の仕事ぶりを見てもらうことです。安さだけで来たお客様は、もっと安い選択肢が出てきたら移っていきます。
税理士や社労士であれば、単発の届出や相談を受けたときに丁寧な対応と的確なアドバイスがあれば、「この先生に毎月お願いしたい」と顧問契約へつながります。美容院なら、カットの技術に納得してもらえたとき、次回からカラーやパーマへとメニューが広がっていく。安くしたから次が来るのではなく、仕事を見てもらったから次につながっています。
自社の入口を見つける3つの視点
自社の入口商品を考えるとき、「お客様が試しに頼みやすいサービスが、今の自社にあるかどうか」を振り返ってみてください。
1つめは、お客様の側にリスクが小さいこと。金額が低い、所要時間が短い、断りやすい。この条件が揃っていると、初めての方でも声をかけやすくなります。
2つめは、その入口で自社の仕事ぶりが伝わること。ランチで手を抜く飲食店のディナーには行きませんし、小さな修繕をいい加減にやる工務店にリフォームは頼みません。入口こそ、実力を見せる場面です。
3つめは、入口から本命への導線があること。入口で満足してもらっても、本命のサービスを知る機会がなければ話は進みません。「こういうこともやっていますよ」とさりげなく伝わる仕組みがあるかどうか。たとえば工務店なら、修繕の完了報告に施工事例の写真を一枚添えておくだけでも伝わります。ここは意外と見落とされがちです。

信頼の接点を先に作る、という発想
一度で決めようとせず、まず信頼を作り本命に進む。会社としてこの仕組みを持っているかどうかが、営業の成果を大きく分けると私は感じています。自社の商品やサービスの中で、初めてのお客様がいちばん頼みやすいものはどれでしょうか。それを入口として据えれば、次に何を提案するかも見えてくると思います。
入口商品で信頼を得て本命商品につなげる。この流れを作っておきたいですね。