「完璧に理解しようとしない」ほうがちゃんと身につく

こんにちは。株式会社ICUの川島です。

新しいことを覚えなければいけない場面は、仕事をしていると定期的にやってきます。業務ソフトの入れ替え、AIツールの導入、新しい管理手法の採用など。新入社員であれば、目の前の仕事そのものがすべて「はじめて」です。

こんなご相談がありました。

「勉強しようとするんですが、難しくて途中で止まってしまいます。」

結論からお伝えすると、1回で完璧に理解しようとしないことです。薄く、何度も繰り返す。それだけで身についていきます。

なぜ「難しい」で止まってしまうのか

学校を卒業して何年も経つと「勉強する」という行為そのものから離れています。久しぶりに教科書やマニュアルを開くと、それだけで気が重くなるものです。

加えて、仕事で求められる新しい知識は、これまでの業務経験の延長では追いつかないことが増えています。AIツールやIT系の技術は、今までの仕事の感覚とは違う考え方を要求されるので「わからない」と感じるのは当然です。

もうひとつ、「短時間で成果を出さなければ」という焦りもあるかもしれません。忙しい中で勉強時間を捻出しているからこそ、早く結果がほしい。
この焦りが「難しい」という壁をよけいに高く感じさせます。

完璧に理解しようとして、先に進めなくなる

よく見かけるパターンがあります。

テキストの1ページ目から一言一句理解しようとして、わからない箇所で止まってしまう。参考書やマニュアルを開いて、3ページ目で閉じてしまった経験がある方は少なくないはずです。これは学び方の問題であって、能力の問題ではありません。

もうひとつは、「1回で覚えよう」とするパターンです。ノートに綺麗にまとめて、一度で頭に入れようとする。時間をかけた割に定着しないので、「やっぱり自分には向いていない」と感じてしまう。

どちらも根っこは同じで、理解するためには完璧に理解して進めなければならないという思い込みです。私はこれを「完璧症候群と呼んでいます。

サッと流して、薄く塗り重ねる

おすすめのやり方はシンプルです。1回目は、わからなくても気にせず、サッと最後まで通してください。

「それで身につくの?」と思われるかもしれません。大丈夫です。1回目の役割は、全体の地図を頭に入れること。「こんな話があるんだな」「これは後半で出てくるんだな」という見取り図ができれば十分です。

そして、同じ教材や課題を2回目、3回目と繰り返します塗装をイメージしてみてください。1回塗りでは下地が透けますが、薄い層を何度も重ね塗りしていくと、しっかりとした仕上がりになる。学びもこれと同じです。

私自身、20歳の頃にホームページ制作を独学で始めたときは、まったくわかりませんでした。自分で作ったページをインターネット上に公開する、たったそれだけのことに6ヶ月かかっています。わからないまましばらく離れて、また戻って読み直して。そうしているうちに、あるとき突然つながって理解できました。いまでは考えられませんが、最初はそんなものです。

まず試してほしいのは、今取り組んでいる教材やマニュアルを、理解度を気にせず最後まで1回通すことです。

新しい技を手に入れた自分で働く

完璧に理解しようとしないで、薄く繰り返す。たったこれだけのことですが、学びの苦しさはずいぶん変わります。「わからなくていい」と思えるだけで、最後まで続けられるからです。

新しいスキルが身につけば、今まで時間がかかっていた仕事が短時間でできるようになります。また、仕事の品質も上がる。できることが増えれば、任される仕事の幅も広がる。最初の「難しい」を乗り越えた先には、ちゃんと見返りがあると私は思っています。

完璧症候群をやめて繰り返していくうちに、ふと「あっ、そういうことか」と思える瞬間がくるはずですよ。少し力を抜いて頑張りましょう!