自社のコア業務に集中するための、BPOという考え方

こんにちは。株式会社ICUの川島です。

今日は、従業員20人以下の経営者の方に向けて、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング・・・業務の外部委託の話をします。BPOというと大企業の話のように聞こえますが、むしろ経営資源の限られた中小企業こそ、早い段階で向き合っておきたいテーマだと考えています。

イメージは合体ロボットです。頭と心臓は自分たちで持つ。けれど手足や専門装備までを全部自前で揃える必要はありません。外部の専門会社のパーツを借りて合体すれば、自社単独よりも強い動きができます。

こんなご相談がありました。

「経理の専任を雇うべきか、自分でやり続けるか迷っています。社長が経理に時間を取られるのもおかしいとは思うのですが…。」

結論としては、専任を雇う前に、専門事務所への委託を先に検討します。社内で抱え込むより、精度が高く、結果として経済的に済むことが多いからです。

中小企業ほど“全部内製”の負担が重い

大企業であれば、経理部・人事部・情報システム部を社内に持ち、教育にも時間と人手をかけられます。20人以下の規模で同じことを自前で揃えようとすると、すぐに無理が出てきます。

たとえば人を雇おうとすれば、採用・教育・引き継ぎ・退職時の補充までが、結局のところ社長の管理業務として残ります。かといって雇わずに自分たちで抱えようとすれば、経理・社会保険や労務手続き・システムやサーバの管理まで、社長が“全部の部長”を兼任することになります。

経営資源(人・モノ・お金・情報)はもともと限られています。広く薄く配るほど、どの分野も中途半端になります。

よくある失敗:「内製の方が安い」という思い込み

中小企業の現場でよく見かけるのは、次のような判断です。

一つ目は、人件費だけを比較して「外注は高い」と決めてしまうパターン。実際には、採用コスト、教育期間中の生産性、ミスのリカバリー、属人化のリスクまで含めると、社内で抱える方が割高になることが多いです。

二つ目は、社長自身が経理や労務を兼ねてしまうパターン。社長の時給で換算したコストよりも、その時間をコア業務に充てていれば得られたはずの利益の方がはるかに大きい専門外の作業に時間を取られている間に、営業や商品開発が止まります。

三つ目は、「ノウハウは社内に貯めるべきだ」という考え方。コア業務についてはその通りですが、税務や労務のように制度改正が頻繁な領域では、専門事務所が日々追いかけている情報量に内製で追いつくのは現実的ではありません

自社のコア機能と、外に任せるパーツを分ける

ここで合体ロボットの話に戻ります。自社が持つべきは、頭(経営判断・戦略)と心臓(コア事業・顧客対応です。それ以外の手足は、専門会社のパーツを借りて構いません。

ICUでも、創業当初からこの考え方で動いています。記帳は社内で基本的な整理だけ済ませ、税理士事務所に依頼しています。給与計算や労務関連の手続きは、すべて社会保険労務士事務所にお願いしています。専門的な設備の運用は専門事業者に、電話やFAXの受付フローは外部企業に協力していただいています。社内データの保管はクラウドサービスの会社が担ってくれています。

まず確認していただきたいのは、今、社内でやっている業務のうち、「社長やコアメンバーでなくてもできる仕事「制度や専門知識のアップデートが必要な仕事を一度書き出してみることです。書き出すことで、外部に依頼できる仕事のイメージがついてきます。

外部委託の良いところは、品質がその専門事務所の標準値で入ってくることです。社内で一人を育てる時間と比べて、最初から完成されたパーツとして接続できます。

コアに集中するほど、会社は強くなる

ロボットの頭と心臓を磨くことに、社内のリソースを集中させる。手足のパーツは専門会社のものを借りるこれが、経営資源の限られた中小企業にとって現実的な姿だと考えています。

中小企業の経営は、何を社内に残し、何を外に出すかの設計でほとんど決まります。手足まで自前で揃えようとすると、肝心のコア機能まで磨きが甘くなる。逆に手足を専門会社に任せれば、自社は本当に大事な仕事に時間と人を振り向けられます。

BPOは“楽をするための逃げ”ではなく、“自社の強みを研ぐための選択です。
専門領域は専門家に任せ、コア業務をより強くしていきましょう。