Cookie同意バナー、うちのサイトにも必要?

こんにちは。高知県高知市で情報処理支援機関として企業さまに伴走支援を提供している、株式会社ICUの川島です。

最近、いろいろなサイトを開くたびに、画面の下のほうから「Cookieの使用に同意しますか?」というバナーが出てきませんか。ネットで調べものをしていると、もう毎回のように見かけます。

こんなご相談がありました。

「どのサイトにもCookieのバナーが出てきます。うちのホームページにも付けるべきですか?」

結論としては、日本国内のお客さまだけを対象にしている中小企業のコーポレートサイトであれば、現時点では設置する法的義務はありませんプライバシーポリシーにCookieの利用目的を書いておけば、それで足ります。むしろ、必要ないのに付けてしまうとサイトの使い勝手を下げるだけです。今日は、なぜそう言えるのかを整理してみます。

あのバナーが増えている背景

Cookie同意バナーがここまで広まったきっかけは、日本の法律ではなくヨーロッパの規制です。EUでは2018年にGDPRという厳しいプライバシー規制が施行されました。サイトがCookieを使う前にユーザーの明示的な同意を取ることが義務づけられていて、違反すると数千万ユーロ規模の制裁金が科されます。

グローバル企業がEU向けの対応をそのまま日本語サイトにも適用しているケースが多いので、国内でもバナーを見かける機会が増えました。つまり、あのバナーは「日本の法律が厳しくなったから」ではなく、「EU向けの対応がそのまま持ち込まれているから増えています。国内の中小企業サイトに制裁や罰則のリスクがあるわけではありません

日本にも2023年に始まった「外部送信規律」という仕組みがありますが、これはニュースサイトやSNSなど通信サービスを提供する事業者が対象で、自社の会社紹介や商品案内のために運営しているコーポレートサイトは含まれません。

やってしまいがちな勘違い

一番多いのは「みんな付けているから、うちも付けないとまずいのでは」という判断です。周りのサイトにバナーがあるのを見ると不安になりますが、設置すると逆にデメリットが出ることがあります。

まず、スマートフォンで開いたとき、画面の大きな面積をバナーが占めます初めて訪れたお客さまが、肝心のページ内容を見る前に帰ってしまう。

さらに、バナーで「拒否」を選べるようにした場合、Google Analyticsなどのアクセス解析が動かなくなることがあります。せっかく入れている解析ツールのデータが歯抜けになり、サイト改善の判断材料が減ります。同意管理ツールの導入・運用にもコストがかかります。

「とりあえず付けておけば安心」と思いたくなりますが、安心を買いにいったはずが、使い勝手とデータの両方を失うことになりかねません。

今のサイトで確認しておきたいこと

バナーを付ける必要はなくても、プライバシーポリシーの中身は見ておいてください。

Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを使っている場合、プライバシーポリシーにその旨を記載しておく必要があります。Cookieを使っていること、アクセス解析の目的で利用していること、送信先のサービス名、そしてユーザーが無効化できる方法。この4点が書かれていれば、現行法への対応としては十分です。

最初にやることは一つだけ。自社サイトのプライバシーポリシーを開いて、Cookieやアクセス解析について触れられているかを確認してください。記載がなければ追記すれば完了です。更新できる環境があれば自分で、なければ制作会社に一言相談するだけで済みます。あわせて、プライバシーポリシーへのリンクがサイトのフッターに置かれているかも確認しておきましょう。

不安の正体がわかれば、やることは絞れる

Cookie同意バナーは目に見えるぶん、「うちだけ付いていないのでは」という焦りを生みやすいテーマです。でも中身を整理してみると、国内のお客さまを相手にしている中小企業のサイトがやるべきことは、プライバシーポリシーを整えるだけです。

個人情報保護法は定期的に見直しが行われていますから、将来的にCookieの規制が強化される可能性はあります。ただ、その場合もプライバシーポリシーの追記やバナーの追加といった対応が中心になるので、サイト全体を作り直すような話にはなりません。まずは今の自社サイトのプライバシーポリシーを、一度開いて読んでみてください。それだけで、漠然とした不安はずいぶん軽くなるはずです。